2026/6/9
日々、相談に来所される方のなかには、稀に親子連れの方もおられます。その日も、元気なお子さんと一緒にお見えになった方がおられました。お子さんは事務所の中を元気に動き回っています。それ自体は微笑ましいことなのですが、ふいに玄関へ向かい、ドアに手をかけて外へ出ようとしました。
「ちょっと待って!」 「お外は危ないよ」
思わず声をかけました。
わが事務所はバス通りに面しており、通学路からも外れています。特に子どもにとっては注意の必要な場所でもあります。
では、その子はなぜ急に外へ出ようとしたのか。理由はすぐに分かりました。
「オナラがしたいの!」
何というエチケットをわきまえた行動でしょう。その周囲への気遣い。思わずこちらが感動してしまいました。幼いながらに、「人前では失礼かもしれない」と考え、わざわざ外へ出ようとしていたのです。
お母さんが、
「じゃ、ついて行ってあげる」と。
しかし、時すでに遅し。
「ひっこんじゃった!」
少し悪いことをしましたが、まだ小学校低学年だのに、自分だけでなく、その場にいる他の人への配慮が、すでに自然な形で身についている。その姿に、私は小さな“公共心”の芽生えを見た気がしました。
とかく近ごろは、大人でさえ公共の場でのマナーやエチケットの欠如が話題になります。しかし、本来、他者への配慮とは、難しい理屈ではなく、「周囲の人を少し思いやる」という、ごく素朴な感覚から始まるものなのでしょう。
そのお子さんのピュアな姿を見ながら、子どもたちに大人が教えられる、むしろ大人の側こそ学ばねばならない――。そんなことを考えさせられた一日でした。
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ハットリ マサヤ/57歳/男
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