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川越市の公共施設、これから全部は維持できない? パブコメ0件から考える、市民参加の必要性

2026/6/13

川越市の公共施設について、これから大きな見直しが必要になっていきます。

公共施設というと、少し硬い言葉に聞こえるかもしれません。

しかし、実際には私たちの暮らしに身近なものです。

市民センター。
公民館。
学校。
スポーツ施設。
福祉施設。
文化施設。
子育て施設。

こうした施設を、これからも今まで通り維持していけるのか。

これは、川越市にとって非常に大きな課題です。

川越市の公共施設は老朽化している

川越市は、人口が急激に増えた時期に、多くの公共施設を整備してきました。

特に1970年代から1980年代にかけて、公共施設の建設が集中しています。

その結果、今では建設から40年以上経った施設が増えています。

広報川越では、令和6年度末時点で、建設後40年以上経過した施設が全体の約58%に及ぶと説明されています。

つまり、かなり多くの公共施設が、大規模改修や更新を考えなければならない時期に来ているということです。

建物は、作ったら終わりではありません。

古くなれば、修繕が必要です。
安全性も確認しなければなりません。
バリアフリーや空調、防災機能も時代に合わせて見直す必要があります。

公共施設は、市民生活を支える大切な資産である一方、維持するには大きなお金がかかります。

今後、毎年約23億円が不足する見通し

川越市の資料では、現在、公共施設の維持管理や更新などに年間約126億円がかかっているとされています。

しかし、今後30年間に必要となる経費は、総額約4,473億円。
年平均にすると約149億円です。

つまり、今の水準と比べると、毎年約23億円が不足する見通しです。

この数字は、かなり重いです。

毎年23億円という不足を、簡単に埋めることはできません。

税収がどんどん増える時代なら、すべての施設を維持するという選択もあったかもしれません。

しかし、人口減少や少子高齢化が進めば、働く世代が減り、税収にも影響が出ます。
一方で、高齢者福祉、子育て、教育、防災など、必要な行政サービスは増えていきます。

そう考えると、すべての公共施設を今まで通り維持するのは、かなり難しいと言わざるを得ません。

「残すか、壊すか」だけの話ではない

公共施設の見直しというと、すぐに「施設をなくすのか」という話になりがちです。

もちろん、地域の施設がなくなるかもしれないとなれば、不安や反発が出るのは当然です。

しかし、本来は「残すか、壊すか」だけの話ではありません。

大事なのは、建物そのものではなく、その施設が持っている機能です。

たとえば、公民館であれば、地域の学びや交流の場という機能があります。
市民センターであれば、身近な行政手続きや地域活動の拠点という機能があります。
学校であれば、教育の場であると同時に、防災拠点としての役割もあります。

建物の数は減らしても、必要な機能をどう守るか。

複数の施設をまとめる。
学校や市民センターを複合化する。
民間施設を活用する。
オンライン手続きで窓口需要を減らす。
利用率の低い施設は別の用途に転換する。

こうした選択肢を、市民と一緒に考える必要があります。

パブリックコメントが0件だったことの重さ

私が特に気になったのは、「第二期川越市個別施設計画(公共施設編)」原案への意見募集で、提出者数0名、意見件数0件だったことです。

公共施設の見直しは、市民生活に大きく関わるテーマです。

にもかかわらず、意見が1件も出なかった。

これは、市民が何も考えていないということなのでしょうか。

私は、そうは思いません。

むしろ、情報が市民に届いていない。
難しすぎて、自分の生活と結びつかない。
どこに意見を出せばよいのか分かりにくい。
意見を出しても本当に反映されるのか分からない。

そうした問題があるのではないでしょうか。

パブリックコメントは、市民参加の大切な制度です。

しかし、制度が存在しているだけでは不十分です。

市民が「これは自分たちの暮らしに関係する話だ」と感じられるように、行政も議会も、もっとわかりやすく情報を伝える必要があります。

すべてを残すのも、すべてを削るのも違う

私は、公共施設を何でも削ればよいとは思っていません。

公共施設は、市民の生活を支える大切な基盤です。

子どもが学ぶ場所。
高齢者が集まる場所。
地域の人が交流する場所。
災害時に避難する場所。
文化やスポーツに親しむ場所。

こうした機能は、市民生活に必要です。

一方で、すべての施設を今まで通り維持することも、現実的ではありません。

将来世代に過大な負担を残すことは避けなければなりません。

だからこそ、必要なのは感情論ではなく、データと市民生活の実感を合わせた議論です。

利用者はどれくらいいるのか。
本当に必要な機能は何か。
近隣施設と重複していないか。
民間で代替できる部分はあるか。
地域にとって欠かせない役割は何か。
維持費はどれくらいかかるのか。
将来の人口構成に合っているのか。

こうした情報を出したうえで、市民が判断できる状態にすることが大切です。

市議会で確認してほしいこと

このテーマについて、市議会で確認してほしいことがあります。

まず、公共施設の見直しについて、市民への説明は十分なのか。

次に、パブリックコメント0件という結果を、市はどう受け止めているのか。

また、施設ごとの利用実態や維持管理費は、市民が分かりやすい形で公開されているのか。

さらに、統廃合や複合化の判断基準は明確なのか。

そして、子育て、教育、防災、福祉など、市民生活に欠かせない機能をどう守るのか。

公共施設の見直しは、行政の都合だけで進めてはいけません。

しかし、市民の声だけで「全部残してほしい」と言うだけでも前に進みません。

行政、議会、市民が同じ情報を見ながら、現実的に考える必要があります。

政治を開くとは、難しい話を生活に翻訳すること

私は、政治を市民にわかりやすく開きたいと考えています。

公共施設マネジメントは、まさにその対象です。

専門用語で説明されると、非常にわかりにくいテーマです。

しかし、実際には、私たちが使う公民館、市民センター、学校、スポーツ施設、福祉施設の話です。

自分の地域の施設がどうなるのか。
子どもたちの学校はどうなるのか。
災害時の避難場所はどうなるのか。
高齢者や子育て世代の居場所は守られるのか。

こう考えると、一気に身近な話になります。

パブリックコメントが0件だったという事実は、重く受け止めるべきです。

市民が関心を持てなかったのではなく、関心を持てる形で情報が届いていなかったのかもしれません。

川越市の公共施設をどう残し、どう見直していくのか。

これは、今の市民だけでなく、将来の川越市民にも関わるテーマです。

だからこそ、もっとわかりやすく、もっと開かれた議論にしていく必要があります。

私も一市民として、この問題を継続的に見ていきたいと思います。

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著者

徳宮 勇気

徳宮 勇気

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肩書 フリーランス / 自衛隊支援協会理事長
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