2026/5/20
議会の一般質問というものは、外から見ていると、議員が壇上に立ち、行政に対して質問をしているだけのように見えるかもしれません。
しかし、実際にやってみると、これがなかなか難しい。
毎回、一般質問の時期が近づくと、私はかなり悩みます。
何を取り上げるべきか。
市民生活のどこに課題があるのか。
それは本当に議会で問うべき問題なのか。
行政に何を聞き、何を提案し、どこまで踏み込むべきなのか。
正直に言えば、毎回、悶絶を打つような思いで原稿を書いています。
地域を歩き、市民の方から話を聞き、現場を見る。執行部にも聞き取りをする。資料を集め、他市の事例を調べ、数字を確認する。そのうえで、ようやく質問の形にしていくわけですが、それでも「これでよいのだろうか」と悩むことは少なくありません。
一般質問とは、自治体の行財政全般について、議員が行政に問いかける場です。福祉、教育、防災、まちづくり、文化、交通、財政、地域コミュニティ。市民生活に関わるあらゆることが対象になります。
だからこそ、何でも聞ける一方で、何をどう聞くかがとても重要になります。
単に「しっかり取り組んでいますか」と聞くだけでは、「しっかり取り組んでいます」という答弁で終わってしまいます。数字を確認するだけなら、担当課に聞けば済む話かもしれません。個別の要望だけで終わってしまえば、それは市全体の課題として共有されにくい。
大切なのは、その質問によって、まちは少しでもよくなるのか、という視点だと思っています。
もちろん、一般質問をすれば、すぐに政策が変わるわけではありません。質問したからといって、すぐに予算がつくわけでもありません。時には、前向きな答弁が得られないこともあります。むしろ、その方が多いかもしれません。
それでも私は、一般質問には大きな意味があると思っています。
それは、課題を市民の前に見える形で提示できるからです。
行政の内部ではすでに認識されている問題でも、市民には十分に知られていないことがあります。逆に、市民が日々感じている不便や不安が、行政の制度や事業の中ではうまく拾い上げられていないこともあります。
議員の役割は、その間に立つことだと思います。
市民の声をそのまま届けるだけではなく、そこにある背景や制度上の課題を整理する。現場の実感を、政策の言葉に置き換える。行政に対しては、「このままでよいのか」と問い、市民に対しては、「この課題を一緒に考えてみませんか」と投げかける。
一般質問は、行政を一方的に責める場ではありません。もちろん、必要なときには厳しく指摘しなければなりません。しかし、目的は相手を論破することではなく、まちを少しでもよくすることです。
私は、一般質問を「話題提供」の場でもあると考えています。
市民のみなさんに、市政の課題を知っていただく。普段はあまり意識しない問題について、「そういえば、これは大事なことだな」と感じていただく。その第一歩になればよいと思っています。
一方で、議会はさまざまな考え方を持つ人たちの集まりです。議員にもそれぞれの立場があり、支持してくださる市民のみなさんの考え方もさまざまです。
ですから、私の質問を評価してくださる方もいれば、そうでない方もおられると思います。
それは当然のことです。
100人全員に支持していただける質問など、そもそも存在しないのかもしれません。むしろ、全員に受け入れられることだけを考えていたら、本当に必要な問題提起はできなくなるのではないかと思います。
大切なのは、「何が絶対に正しいか」を押しつけることではなく、「何がよりベターなのか」を議論することです。
まちは、一つの正解だけで動いているわけではありません。財源には限りがあります。人手にも限りがあります。制度にも限界があります。その中で、どこに優先順位を置くのか。誰の困りごとに光を当てるのか。将来世代に何を残すのか。
その問いを、議会の場で、市民のみなさんにも見える形で投げかけていくこと。
それが、私にとっての一般質問です。
一般質問は、議員にとって、自分の問題意識が問われる場でもあります。
地域の声をどれだけ聞いているか。
行政の仕組みをどれだけ理解しているか。
データや事例をどれだけ集めているか。
そして何より、自分がどのようなまちを目指しているのか。
そのすべてが、質問の中に表れます。
だからこそ、毎回苦しいのだと思います。
でも、その苦しさから逃げてはいけないとも思っています。
市民のみなさんの暮らしの中には、まだ言葉になっていない課題があります。声の大きい人だけではなく、声を上げにくい人の困りごともあります。今は何とか回っているけれど、5年後、10年後には立ち行かなくなるかもしれない制度もあります。
そうしたものに気づき、議会の場で問いに変えていく。
それが、私の一般質問に向き合う基本姿勢です。
これからも、毎回悩みながら、迷いながら、それでも市民のみなさんと一緒にまちの課題を考えるきっかけとなるような一般質問をしていきたいと思います。
一般質問は、議員のための発表会ではありません。
行政を困らせるための場でもありません。
市民のみなさんと一緒に、まちの未来を考えるための入口です。
その入口を少しでも広く、分かりやすく、意味のあるものにしていくこと。
それが、私が一般質問に込めている思いです。
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