2026/3/26
整備士不足により4月より運休が決まった東京都ドクターヘリ。キャンセル率の高さなどから、まるでずさんな運営が行われていたかのような指摘もありますが、わが会派はデータを冷静にとらえ、持続可能な救急医療体制確立に向けた検討をする契機にするべきと訴えました。

次に都民の命を守る取組についてうかがいます。都の救急医療体制について、本年2月に東京都ドクターヘリが4月以降運航休止となるとの報道がありました。運航休止に至った経緯に関しては、各委員の皆さんよりすでに言及がございますので割愛しますが、わが会派は整備士不足などの専門人材の確保という構造的な課題が浮き彫りになっていると受け止めています。もちろん、運航委託契約における事業者選定や契約内容に問題は無かったのかというご意見にも真摯に向き合っていただく一方で、冷静にデータを確認いただきながら、東京の救急患者の搬送のあり方について検討する契機にすべきという観点から、改めて質問いたします。まず、多摩地域・島しょ部でのドクターヘリの運用形態について伺います。
【保健医療局長】
○ ドクターヘリは、多摩地域の十七市町村で運航しており、重症、重篤な患者を救命救急センターへ搬送している。
○ 島しょ地域では、東京消防庁のヘリコプターにより、島しょの医療機関では対応困難な救急患者を本土の医療機関へ搬送している。
ありがとうございます。まず、今回休止となるドクターヘリは多摩地域を中心に運航されており、島しょ部は休止の影響を受けないことを確認させていただきました。
<ドクターヘリについて②>
次にキャンセル率についてです。東京都のドクターヘリは、重症が想定される場合に出動し、これまで約800人を運搬してきた一方で、出動後約8割が搬送に至っていないという数字があります。このキャンセルの主な理由について伺います。
【保健医療局長答弁】
A
○ 都のドクターヘリ運航事業では、119番通報時に東京消防庁の指令室が通報内容から重症・重篤と判断した場合、救急車の出動とともに、直ちにドクターヘリの出動を要請する。
○ ヘリで搬送しなかった主な理由は、患者のもとに先に到着した救急隊員が、患者の状態を直接確認し、重症・重篤ではないと判断した場合などがある。
○ こうしたケースでは、救急車で近くの救急医療機関へ患者を搬送し、ヘリは次の出動に備え迅速に基地へ戻る運用となっている。
この8割という数字を持って、都のドクターヘリの運営がずさんであったかのような指摘もありますが、わが会派はこの数字について冷静に捉えていく必要があると考えます。このキャンセル率について都道府県別の数字を調べてみると、確かに東京都が突出して高い数字にはありますが、そもそも運用方法が地域の状況などにより大きく異なるため一概に比較できません。他の自治体では現場で救急隊が必要性を判断してから、ヘリを要請する運用となっているケースもあるようですが、その場キャンセル率は低くなります。実際に島しょ地域では医師の判断により東京消防庁のヘリ搬送を要請しており、キャンセルはないと聞いています。また、他県では重症ではないと判断されても、そもそも近隣に病院がないことからそのままヘリで搬送されるケースもありますが、都では、次の要請に備えて引き返すことが徹底されています。つまり、このキャンセル率の高さは、都が「生命の危機が切迫している傷病者を早期に医師の管理下におく」ことを最優先の目的とし運航されていることの現れと捉えることもできます。何を目的として事業を行うかの違いの問題であり、事業者選定の問題とは切り離して考えるべきです。
そして、この休止期間中どのように都民の安心を確保するのか、しっかりと説明をしていく必要があります。改めて、運航休止を受けて、現在どのような代替対応を講じており、それによって救急医療体制はどの程度カバーできると見込んでいるか伺います。
【保健医療局長答弁骨子案】
A
○ ドクターヘリの運航休止期間中、東京消防庁と連携して救急車で迅速に搬送するほか、山間地域を中心に消防ヘリコプターも活用する
○ 多摩地域の救命救急センターとの間で、医師が同乗して現場に赴くドクターカーの運行地域の拡大に向け、具体的に調整
○ 都県境周辺での患者の円滑な受入れのため、近隣県の救命救急センターに対しも協力を依頼する
○ こうした対応により、運航休止期間中も多摩地域の救急医療を確保する
ありがとうございます。東京消防庁との連携やドクターカーの活用で、救急医療を確保できることがわかりました。今回の運航休止は「どの事業者でいつ再開するか」という問題として捉えるのではなく、東京という高密度都市において、どの手段が最も確実に命を救えるのか、どの手段が、もっとも持続可能性があるのかという観点から救急医療のあり方を考えるきっかけになるのではと考えます。ドクターヘリの再開の検討と並行して、ドクターカーの拡充や他県と連携したドクターヘリ活用などの新たなモデルを検討することを求めます。
この記事をシェアする
フクイ ユウタ/39歳/男
ホーム>政党・政治家>福井 ゆうた (フクイ ユウタ)>ドクターヘリのあり方について質問しました【予算特別委員会】