2026/5/18
アメリカの本質について
海音寺潮五郎の『西郷隆盛』を読んでいます。
一巻で、西郷隆盛が当時吉之助が参勤交代で島津斉彬にお供し江戸に到着後、友人にペリーの件について、状況を尋ねるシーンがあります。2人の友人はこう答えます。
「ペルリが去年来た時の暴慢無礼はオマンサアも聞いておじゃろう。やつらは日本の国法を無視して、江戸湾の入り口の浦賀に来た。そして4隻の軍艦を浦賀の町に向かって横にずらりと並べ、全部の大砲の蓋をはらって、言うことを聞かんければ直ちに砲撃するぞと言わんばかりの様子を示し、それから、国書を受け取れ、それもこの国の最高の役人が、ここに来て受け取れと論判にかかったのでごわす」と言った後、その威迫に幕府が屈服し、浦賀奉行の戸田伊豆守が国書を受け取ったことを伝えました。さらに話は今度のペリーの再渡来のこととなります。
「ペリーは今度は浦賀を乗りすぎて江戸湾に乗り込み、小芝沖というところへ碇下ろした。船数も今年は7隻、それに後からまた2隻来たので総計9隻という数。(中略)神奈川沖まで艦隊を乗り入れ、全備砲を向けての強談判だ。どうすることもできない。ついに横浜にしようと言うと、やっとぺリーも承知したが、その談判にかかる前にペリーはこう脅迫した。
「こちらの要求は必ず容れてもらわなければならない。もし不承知であるなら開戦になると覚悟あれ。余はその時のために、日本近海に50隻の軍艦を待機させている。開戦ということになれば、それは直ちにやってくるであろう。さらに、また本国西海岸のカルホルニヤにも50隻の軍艦が待機しているから、これまた二十日のうちには来るであろう。よくよく性根を据えて返答されることが肝心であろう。」こういうことで横浜で談判が始まった。そして、結ばれたのが日米和親条約。
とありました。この時、1854年3月のことです。
ひるがえって現代に戻ると、2026年現在アメリカはイランに攻撃を仕掛けています。その後、停戦のため協議を行っていますが、イランがアメリカの提案を受け入れないことから、トランプ大統領はイランへの再攻撃の計画をほのめかせ、提案の受け入れを譲歩させようとしています。現在のトランプ大統領のイランに対する振る舞いの様子は、はるか海を越え他国に第7艦隊を差し向け威迫し攻撃する姿は、170年以上前のペリーの振る舞いと同じように思えてなりません。
2つを並べてみると、基本的にはアメリカの他国に対する振る舞いその本質は、170年の時を超えても同じように見える気がします。またそれは、近代国家の本質であり、それは現代も変わりなく続いている事を、たとえ最高水準の自由と民主主義の国家であっても変わらないことと感じました。

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ナガオ ハルフミ/59歳/男
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