2026/5/16
2015年6月に改正公職選挙法が成立し、選挙権年齢が18歳以上へと引き下げられてから11年、2016年の施行から10年が経過しました。この間、学校現場では主権者教育が広がり、政治や選挙について学ぶ機会は着実に増えてきています。一方で、10代の投票率は依然として全体を下回る状況が続いており、若者の政治参加をどう促していくかが大きな課題となっています。
1945年に25歳から20歳へ引き下げられて以来、70年ぶりとなった選挙権年齢の引き下げ。これを受け、国は副教材や指導資料を整備し、多くの学校で主権者教育が実施されるようになりました。模擬選挙など、実践的な学びも広がっています。
しかし、その内容を見ると、選挙の仕組みなどを学ぶ授業は多い一方で、現実の政治課題について話し合う機会は十分とは言えません。政治的中立性への配慮から、具体的なテーマを扱うことに慎重な傾向もあり、生徒が自ら考えを深める機会が限られている現状があります。
実際の投票率を見ても、2026年2月の衆院選では18・19歳の投票率は43.1%にとどまり、全体を13ポイント下回りました。前回2024年衆院選の10代投票率39.4%からは上昇したものの、依然として低い水準が続いています。
背景には、「自分の一票で社会は変わらない」と感じている若者が多いことが指摘されています。一方で、政治や社会に対する関心を持つ高校生は少なくなく、関心と実感の間にギャップがあることが明らかになっています。
この10年で大きく変わったのが情報環境です。若者の多くがSNSを通じて政治や社会の情報を得るようになりました。
その一方で、真偽不明の情報や偏った情報に触れる機会も増えています。自分に合った情報だけが表示される「フィルターバブル」の影響により、多様な意見に触れにくくなっていることも課題とされています。
主権者教育に詳しい東洋大学の林大介准教授は、この10年で政治を身近に捉える学びが広がったことを評価する一方、「選挙の仕組みを学ぶだけの"選挙教育"にとどまっている面もある」と指摘しています。
本来の主権者教育は、社会課題を自分ごととして捉え、自ら判断する力を育てるものです。そのためには、日常的に政治テーマに触れ、異なる意見を比較しながら考える機会が必要とされています。
また、若者の政治参加を進めるためには、「意見を言えば届く」「社会は変えられる」と実感できる経験を積み重ねていくことが重要であり、社会全体で子どもや若者の声を尊重していく姿勢が求められています。
主権者教育は、単に投票行動を促すだけでなく、自ら考え、判断し、社会に関わる力を育てる取り組みです。
今後は、学校だけでなく地域や社会全体で、若い世代の声に耳を傾け、意見が尊重される環境を整えていくことが重要です。多様な価値観を認め合いながら、誰もが参画できる社会づくりに向けた取り組みが求められています。
- 冒頭で「2015年の法改正から11年、2016年の施行から10年」と正確に記載
- 2026年2月衆院選の投票率を「43.11%」「13ポイント下回る」と具体的に明記
- 前回2024年衆院選のデータ(39.4%)も追加
- 林大介氏に「東洋大学の林大介准教授」と肩書を追加
- 高校生の意識に関する「9割以上」という不確実な数値表現を削除し、より慎重な表現に修正
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テラタニ エイイチ/63歳/男
ホーム>政党・政治家>寺谷 えいいち (テラタニ エイイチ)>18歳選挙権から10年 主権者教育の現状とこれから