2026/5/19

世田谷区にあるフリースクール「てらこやmapl」を視察し、施設見学と意見交換を行いました。

「てらこやmapl」は、住宅街の一軒家を活用した、あたたかく家庭的な雰囲気のフリースクールです。
訪問した時間には、子どもたちが昼食の準備をしていました🍆
家庭から持ち寄った野菜を使い、みんなで調理をする姿がありました。


ただ勉強をする場所というより、
「自分で考え、手を動かし、人と関わりながら過ごす場所」
という印象を強く受けました。
ここでは、1日のスケジュールが細かく決められているわけではありません。
子どもたちの様子や気持ちを見ながら、
「今日は何をしてみようか」
「外に出てみようか」
「何か作ってみようか」
と、子ども自身の興味や内発的な力を大切にしています。
施設内には、絵を描いたり、ものづくりをしたりできるアトリエ🎨
多摩川で捕まえた生き物を飼育する水槽🐟
ボードゲーム、ピアノ、お箏など、さまざまな活動のきっかけがありました。
学びは、教室の机の上だけで起きるものではありません。
安心できる環境の中で、自分のペースで人や社会とつながっていく。
その大切さを感じる視察でした。

意見交換の中で特に印象に残ったのは、「てらこやmapl」が大切にしている
「愛着」や「関係性」という視点です。
学校に行きづらくなった子どもたちの中には、
勉強以前に、まず安心できる大人や場所との関係を必要としている子もいます。
「安心と信頼が築けていないお子さんも多いので、まずそこから」
この言葉に、フリースクールが担っている役割の大きさを感じました。
不登校支援というと、どうしても「学校復帰」や「学習支援」に目が向きがちです。
もちろんそれも大切です。
しかし、その前に、
子どもが自分を否定されずにいられる場所。
無理に急かされず、少しずつ社会とつながり直せる場所。
そうした居場所が必要な子どもたちがいます。

「てらこやmapl」では、子ども一人ひとりにサポートプランを作成し、学校に提出することで、出席扱いや卒業資格につながるよう連携を行っています。
一方で、学校側の対応には差があるとのことでした。
丁寧に様子を聞いてくれる先生もいれば、ほとんど連絡がないケースもある。
校長先生が見学に来る学校もあれば、通知表の時期だけ連絡が来るようなケースもあるそうです。
ここには、制度だけでは見えない課題があります。
フリースクールと学校が対立するのではなく、
子どもにとって一番よい形を一緒に考える。
そのためには、学校、行政、民間の居場所が、もっと自然につながれる仕組みが必要です。


今回の視察で強く感じたもう一つの課題は、フリースクールの運営の厳しさです。
ここでは、利用料を設定しながらも、保護者の負担が重くなりすぎないよう工夫しています。
しかし、家賃、光熱費、スタッフの人件費、食費など、運営には当然費用がかかります。
世田谷区内で一軒家を借りて運営するだけでも、大きな固定費が発生します。
代表の方からは、立ち上げ当初は無給に近い形で活動を続けてきたこと、創業資金にも大きな自己負担があったことが語られました。
子どもたちのために必要な場所であるにもかかわらず、
それを支える側が、強い使命感や自己犠牲に頼らざるを得ない。
ここは、社会として見過ごしてはいけない課題です。


東京都では、フリースクール等に通う子どもの保護者に対する補助制度があります。
また、運営側への支援制度も少しずつ整えられています。
一方で、現場からは、申請手続きの負担が大きいという声もありました。
支援制度は、作るだけでは十分ではありません。
本当に必要な人や団体に届いているのか。
申請の負担が重すぎて、現場の時間や人手を奪っていないか。
制度を使える団体と、使いきれない団体の間に格差が生まれていないか。
ここを丁寧に見ていく必要があります。


今回の意見交換では、東京都独自の「認証・認可フリースクール制度」の可能性についても話題になりました。
フリースクールには、現在、明確な制度上の位置づけが十分とは言えません。
そのため、公的資金をどのように投入するのか、質をどう担保するのか、行政としても難しい課題があります。
しかし、子どもたちの居場所として重要な役割を担っていることは間違いありません。
必要なのは、ただ厳しい基準を作ることではありません。
✅ 子どもの安心と安全を守ること
✅ 学びや育ちの質を担保すること
✅ 事業者に過度な事務負担をかけないこと
✅ 保護者の経済的負担を軽減すること
✅ 学校や自治体との連携を進めること
このバランスをどう設計するかが大切です。
認証や認可の仕組みを作るのであれば、現場の声を聞きながら、実効性のある制度にしていく必要があります。

「てらこやmapl」では、今後、通信制高校のサポート校としての機能も視野に入れて準備を進めているとのことでした。
不登校や学校に行きづらさを抱える子どもたちにとって、義務教育の期間だけでなく、その先の高校年代をどう支えるかは大きな課題です。
「中学卒業後、どこにつながるのか」
「高校卒業資格をどう取得するのか」
「学習だけでなく、生活面や人間関係の支援をどう続けるのか」
子どもの成長は、制度の区切りで止まるものではありません。
小中学生の居場所支援から、高校年代、そして社会参加まで、切れ目のない支援が必要です。
今回の視察を通じて、フリースクールは単なる「学校の代わり」ではないと感じました。
学校に行けない子どもを一時的に預かる場所ではなく、
その子が自分らしさを取り戻し、安心して人とつながり直す場所。
そして、家庭だけでは抱えきれない不安を、社会全体で受け止める場所でもあります。
子どもたちの学び方、育ち方は一つではありません。
学校、家庭、地域、民間の居場所、行政。
それぞれが役割を持ちながら、子どもを真ん中に置いてつながっていくことが大切です。
これからも現場の声を伺いながら、
子どもたちが安心して学び、育ち、自分の未来を選べる東京を目指して取り組んでまいります。
※取材協力 てらこやmapl
https://terakoyamaple.com/
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