2026/5/20
市川市議会議員を、どれだけ知っていますか。
名前を聞いたことがある。
顔を見たことがある。
感じが良さそう。
地元でよく見かける。
有名だから安心。
そんな理由だけで、市議会議員を選んでいないでしょうか。
しかし、市議会議員は、人気投票で選ぶ存在ではありません。
市議会議員は、市民の税金で動く市役所を監査し、市長の政策を問い、必要であれば市の制度や運用を変えさせる存在です。
そして、実は市民生活に近い制度については、国会議員よりも市議会議員の方が、制度を変える力を発揮しやすい場合があります。
多くの人は、制度を変えるのは国会議員の仕事だと思っています。
もちろん、法律そのものを変えるのは国会の役割です。
しかし、制度は法律だけでできているわけではありません。
条例。
要綱。
予算。
附属機関。
第三者委員会。
運用基準。
情報公開。
議会質問。
市民への説明方法。
自治体には、自治体の制度設計があります。
ここを見落としてはいけません。
国会で法律が変わらなくても、市が独自に行政の暴走を防ぐ仕組みを作ることはできます。
市長を動かせば、市の制度は変えられます。
予算を変えれば、行政の優先順位は変わります。
条例や要綱や運用を変えれば、市民生活に直結する仕組みは変わります。
そして、市長を動かす場所こそ、市議会です。
国会議員は、国の法律を変える力を持っています。
しかし、国の制度を変えることは簡単ではありません。
そこには、省庁、官僚機構、既存制度、長年の運用、関係団体との激しいせめぎ合いがあります。
たとえば、再審制度の見直しをめぐる議論です。
再審とは、確定した刑事裁判をやり直す制度です。
冤罪を救済するために極めて重要な制度ですが、これまで再審開始決定が出ても、検察官が抗告を繰り返すことで、実際にやり直しの裁判が始まるまで長い時間がかかる問題がありました。
袴田巌さんの事件では2014年に静岡地裁が再審開始を決定してから、抗告が繰り返され、再審公判が始まったのは2023年、無罪確定はその翌年でした。
この再審制度の見直しをめぐり、稲田朋美氏らは検察官抗告の全面禁止を求めて動きました。
しかし、法務省側は簡単には動きませんでした。
稲田氏が自民党の部会で「何も1ミリも私たちの言うこと聞かないじゃないですか!」「ほとんどの議員が抗告禁止と言っているにもかかわらず、それを全く無視している」と述べました。さらに、4月15日の部会でも、法務省側に対して稲田氏が「不誠実なんだよ!」と発言した場面が自身のYouTubeで見られます。。
これは、単なる感情的な一言ではありません。
有力な国会議員が、国民の側から制度を直そうとしても、官僚機構が簡単には動かない。
その現実が、この短い言葉に凝縮されています。
最終的に、改正案は現行の刑事訴訟法の本則にある抗告規定を削除しつつ、「十分な根拠がある場合に限り、抗告することができる」という規定を新たに設ける内容になったと報じられています。
つまり、全面禁止ではありません。
「原則」という文字が残った。
ここに、国政の難しさがあります。
国会議員でも、官僚機構や既存制度の壁にぶつかる。
国の行政OSを修正するには、それほど大きな力と時間が必要になるのです。
ここで、市川市民に考えてほしいことがあります。
国政が大きな政治で、市議会は小さな政治。
本当にそうでしょうか。
私は、違うと思います。
国会には国会の戦場があります。
しかし、市議会には、市民生活に直結する行政の現場があります。
下水道。
道路。
学校。
保育。
福祉。
防災。
公共施設。
市役所の説明の仕方。
市の予算の使い方。
さらに、市川市では今後、中核市移行、児童相談所の設置・移管、美術館構想、公共施設整備など、大きな政策判断が続く可能性があります。
これらは、国会ではなく、市川市役所と市川市議会で問うべき問題です。
国の制度を一気に変えることは難しくても、市川市の制度、市川市の予算、市川市の行政運用は、市川市の中で変えられる可能性があります。
だからこそ、市議会議員を軽く見てはいけません。
自治体が制度を変えられることを示す重要な例が、明石市の児童相談所に対する第三者チェック制度です。
国が昨年導入した一時保護時の司法審査は、裁判官が子ども本人に会う制度ではありません。
保護者と児童相談所が対等に主張立証する制度でもありません。
面会制限や通学制限の実態を現場で確認する制度でもありません。
基本的には、児童相談所が集めた資料を、裁判官が書面で確認する制度です。
私は、これを実質的な司法審査ではなく、偽装司法審査と呼ぶべきだと考えています。
一方で、明石市は違いました。
明石市は、それ以前に「こどもの権利擁護部会(こどものための第三者委員会)」を設け、一時保護された全ての児童と速やかに面会し、子どもの声を聴き、必要に応じて明石こどもセンターへ意見を通知する仕組みを作りました。
さらに、明石市の制度では、一時保護の継続、面会制限、通学支援などについて第三者委員会に調査を求めることができる仕組みも整理されています。
国の制度は、紙を見る。
明石市の制度は、子どもを見る。
この差は、制度の魂そのものの違いです。
詳しくは、こちらの記事で整理しています。
明石市だけが実現した、国の司法審査より実質的な制度

https://note.com/takasan_japan/n/n07c017f88820?sub_rt=share_sb
ここに、自治体の可能性があります。
国が動かなくても、自治体が現行法の中で工夫すれば、行政権限の暴走を防ぐ仕組みを作れる。
市長が本気になれば、市の制度は変えられる。
市議会が本気で問えば、市長を動かすことができる。
これが地方自治です。
市議会は、市長の応援団ではありません。
市川市議会の公式説明でも、市議会には条例や予算などを決める議決権があり、市政が正しく行われているか監査を求める監査請求権、市長が副市長等を任命するときの同意権、請願・陳情の受理権などがあるとされています。
つまり、市議会は、市長と市役所をチェックする場所です。
市長が「必要です」と言う。
市役所が「ご理解ください」と言う。
担当課が「お願いです」と言う。
そこで終わってしまえば、市議会はただの追認機関になります。
本来、市議会議員はそこで立ち止まらなければなりません。
その事業は本当に必要なのか。
費用対効果はあるのか。
他都市と比べて妥当なのか。
市民に誤解を与える説明をしていないか。
行政内部の都合が優先されていないか。
将来負担を隠していないか。
市民の権利を守る仕組みはあるのか。
こうしたことを問い、市長を動かすために、市議会があります。
市川市は、すでに非常に大きな行政組織です。
令和8年度の市川市当初予算案では、一般会計が2022億円、特別会計と下水道事業会計を含めた予算総額が3119億600万円とされています。
これは、市民一人ひとりの生活と財布に直結する巨大な数字です。
この予算が本当に市民のために使われているのか。
将来世代にツケを回していないのか。
見栄えのよい大型事業ばかり進んでいないか。
事業を増やすだけ増やして、職員体制や財政負担が追いつかなくならないか。
中核市移行をするなら、本当に市川市民にとって得なのか。
児童相談所を設置・移管するなら、明石市のような第三者チェック制度まで同時に作る覚悟があるのか。
美術館や公共施設整備は、市川市の財政と行政能力に見合っているのか。
下水道や生活インフラについて、市民に正確な説明がされているのか。
こうした問題を問うのが、市議会議員の仕事です。
市議会議員は、イベントで笑顔を見せるだけの存在ではありません。
市長や市役所が出してくる資料を読み、市民の代わりに問いただす存在です。
市議会議員に必要なのは、知名度だけではありません。
もちろん、親しみやすさも大切です。
しかし、有名であることと、行政を監査できることは、まったく別の能力です。
スマホのアプリで考えれば分かりやすいです。
画面上のアイコンがきれいでも、裏側のプログラムが壊れていれば、そのアプリはまともに動きません。
政治も同じです。
知名度やキャラクターは、表面のUIです。
しかし、本当に大事なのは、裏側のバックエンドです。
予算を読めるのか。
条例を読めるのか。
行政文書を読めるのか。
市役所の説明のおかしさに気づけるのか。
国の制度の欠陥を理解し、市川市政の現場に引き寄せて考えられるのか。
行政権限の暴走を止める仕組みを、市民の側から提案できるのか。
ここを見なければ、市民は「見た目のよいアイコン」を選んだつもりで、税金を消費するだけの壊れたアプリを選んでしまうことになります。
市議会は、小さな国会ではありません。
国会議員より権限が小さいから重要度も低い、という話ではありません。
国会には国会の戦場があります。
市議会には、市民生活に最も近い行政の現場があります。
制度を変えるのは、国政だけではありません。
市長を動かせば、市の制度は変えられます。
予算を変えれば、行政の優先順位は変わります。
条例、要綱、第三者委員会、情報公開、運用基準、市民への説明方法を変えれば、市民生活に直結する仕組みは変わります。
そのために必要なのが、市議会です。
市議会議員を、知名度や雰囲気だけで選んではいけません。
必要なのは、行政制度を理解し、市役所の説明を読み、市長を動かし、市民のために制度のバグを修正できる人です。
市川市の未来を決めるのは、有名かどうかではありません。
市川市の制度を、市民の側から変えられる人を市議会に求められるかどうかです。
国政の一線で問われるような行政制度の理解を、市川市議会へ。
知名度で選ぶ政治から、制度を変える力で選ぶ政治へ。
市川市から、地方自治のあり方を変えていきましょう。
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