2026/6/10

東洋大学大学院・公民連携専攻のOB仲間である、長野県上田市の斉藤達也市長が東洋大学を訪問されました。
そこで、恩師の根本祐二先生、PPPセンター長の中村先生、水道や公共施設に詳しい東洋大学PPPのOBメンバーとともに、水道広域化について検証議論を行いました。
上田市が参加する水道広域化プロジェクトは、長野市、上田市、千曲市、坂城町、長野県企業局の3市1町と県によるものです。
斉藤市長は、市長選挙で「現状の広域化案に反対」と訴え、当選しました。
広域化を完全否定しているのではなく、現在の案が本当に上田市民の利益になるのか、データで検証すべきだという立場です。
上田市は豊かな水源を持ち、緩速ろ過によるおいしい水に、市民の誇りがあります。一方、広域化後も上田市の浄水場が主要な役割を担うと想定されています。
そのため、市民から見れば「上田の水を他地域に供給し、水道料金だけが統一されるのではないか」という懸念があります。
また、広域化関連事業は約450億円、管路更新などの基盤強化事業は約250億円、合計約700億円規模とされています。
しかし、根本先生からは、広域化の組織論ばかりが先行し、老朽化した管路の更新が置き去りになっているとの指摘がありました。
広域化しても、地域内の老朽管が自動的に更新されるわけではありません。どの管路を、どの順番で、誰の負担で更新するのかを明確にする必要があります。
一方、中村先生からは、水道専門人材の確保や技術継承の面では、広域連携に意義があるとの指摘もありました。財政力のある自治体でさえ、専門人材の確保に苦労しています。
水道広域化は、単純に賛成か反対かで判断できる問題ではありません。
料金だけでなく、人材、施設更新、災害対応、自治権まで含めて考える必要があります。
だからこそ、「現状維持か、今の広域化案か」という二択にしてはいけません。
ソフト面だけを共同化する方法、広域連合、公民連携など、複数の選択肢を同じ条件で比較し、市民に示すべきです。
さらに、上田市が参加しない場合に、このプロジェクトが成立するのかという検証も必要です。形式上ではなく、実質的に「参加しない」という選択肢があるのかを明らかにしなければなりません。
結論ありきではなく、複数案をデータで比較する。
東洋大学PPPには、公共施設やインフラの専門家がOBにも多くいます。この頼もしい仲間たちと共に、今後も検証に関わっていきたいと思います。
The post 上田市の水と自治を守れるか――水道広域化の論点 first appeared on 目黒区議会議員 山本ひろこ 公式ホームページ.
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