2026/3/3

江東区の令和8年度予算審査特別委員会で、HPVワクチン接種事業が取り上げられた。質疑の中で示された学年別の接種率は以下のとおりだ。
| 学年 | 対象者数 | 1回目接種率 | 3回目(完了)接種率 |
|---|---|---|---|
| 中学1年 | 2,067人 | 28.6% | 0.8% |
| 中学2年 | 2,094人 | 45.6% | 29.7% |
| 中学3年 | 2,126人 | 57.8% | 22.0% |
| 高校1年 | 2,138人 | 67.3% | 44.4% |
学年が上がるにつれ接種率は上昇しており、毎年7月の未接種者への勧奨はがき送付が一定の効果を上げている。キャッチアップ接種でも、令和7年2月の個別通知後に翌月の接種者数が4倍以上に増加した実績がある。通知が届けば接種につながることは、区自身のデータが示している。
しかし、勧奨はがきだけでは接種はできない。接種には中学1年時に送付された予診票が必要であり、紛失していればオンラインでの再交付手続きが必要になる。この手間が脱落を生む構造になっている。
予算審査特別委員会では、はがきに予診票を同封して再送付すべきではないかとの質疑がなされた。区の答弁は「オンラインで簡単に再交付できる」としたうえで、「予診票を一緒に送ると、区が強く接種を促しているという誤解を招きかねない」というものだった。
個別勧奨はがきを送っている時点で、区はすでに接種を促している。にもかかわらず、予診票の同封が「誤解を招く」とする論理は整合性を欠く。高校1年の未接種者は約700人。予診票の再送付コストは事業予算4億5千万円の0.1%にも満たない。

また、接種率の目標設定と公表についても質疑が行われた。区は「接種を強制できないため目標値は設定しない」「公表は現時点では考えていない」と答弁。区民の税金で運営する事業の結果を公表しないという姿勢は、説明責任の観点から疑問が残る。
男性のHPVワクチン任意接種助成についても取り上げられた。高校1年生男子の1回目接種率はわずか5.3%で、女子の67.3%と大きな開きがある。
女性の定期接種では区が全対象者に予診票を送付するのに対し、男性の任意接種では保護者が自ら申請しなければならない。この情報到達の非対称が接種率の差に直結している。
学校を通じた周知については、2年前の厚生委員会で「研究課題」との答弁がなされていた。その後、区は養護教諭との連絡会で説明を行ったとしたが、実際に何校で生徒や保護者に情報が届いたかについては「把握していない」と答弁。学校ごとに周知の有無が分かれる状態では、接種機会の公平性が担保されていない。
国において男性の定期接種化の議論が進む中、区が責任を持って保護者へ直接届ける体制の整備が求められている。

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ホーム>政党・政治家>中島 ゆうたろう (ナカジマ ユウタロウ)>江東区HPVワクチン接種率、高1女子で44%止まり ―予診票の同封を拒む「誤解を招く」答弁の中身